手形小切手法の定義集です。
用語 | 定義(または制度趣旨) | 詳解 |
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手形小切手法の適用領域 | 為替手形、約束手形、小切手等を用いた法律関係に適用。 | 株券など有価証券一般にも適用される。 |
約束手形 | ||
為替手形 | ||
振出人 | ||
支払人 | ||
引受人 | ||
自己宛手形 | ||
小切手 | ||
信用証券 | ||
支払証券 | ||
手形小切手の経済的機能 | →論証集へ(後日記載) | |
商業手形 | ←→融通手形 | |
手形割引 | ||
融通手形 | 空手形、貸手形、借手形、好意手形などの別称がある。 | |
交換手形 | ||
商業信用状 | ||
統一手形小切手法 | ||
有価証券 | ||
流通証券 | ||
免責証券 | ||
記名証券 | 記名証券・指図証券・無記名証券の違いについて→論証集へ(準備中) | |
指図証券 | ||
無記名証券 | ||
文言性 | ||
無因性 | ||
文言性 | ||
要式証券性 | ||
資格授与効力 | ||
裏書の連続 | ||
善意取得 | ||
物的抗弁 | ||
人的抗弁 | ||
人的抗弁の切断 | ||
無権代理 | ||
設権証券性 | ||
(手形の)偽造 | ||
(手形の)変造 | ||
遡求 | ||
満期前の遡求 | ||
無効手形 | 手形は厳格な要式証券性をとるから、手形要件を欠く | |
白地手形 | 手形要件の全部または一部が記載されないで、未完成のまま流通におかれた手形のこと。 | もっと具体的には、後日その取得者をして手形要件の全部または一部を補充させる意思をもって、署名者がことさらにこれを記載しないで流通においた証券と解する主観説と、外観上署名者が他人による補充を予定して署名したと認められる書面と解する客観説とが対立する。基本的には主観説によりつつ、この説を権利外観法理によって補充する立場(田邉・334頁)が妥当か。 |
白地手形の成立要件 | (1)少なくとも一個の署名があること(2)要件の白地(3)補充権の存在 | これに該当しない場合、白地手形ではなく無効な手形、ということになる。 |
満期白地手形 | 満期の部分を後日補充させる意思をもって、署名者がことさらにこれを記載しないで流通においた証券(白地手形についての主観説を前提) | 満期の記載のない手形は一覧払手形とみなすという明文の規定(手形法2条2項、77条2項)との関係が問題になるが、判例・通説は満期白地手形も認める。ただし、一覧払手形と重過失なく信じて手形を取得した者に対しては、白地手形であることを対抗できない(田邉・336頁)。 |
白地手形上の権利 | 白地を補充して完成手形とすることができる権利(白地補充権)と、補充されることにより完全な手形債権となる生成中の権利とが一体となって白地手形上に表章されていると解するのが通説。 | 生成中の権利というのを観念することは争いがあるが、白地手形が経済的価値をもって取引対象になりうる物である以上、そこには生成中の権利というものを観念することが自然。 |
白地補充権 | 未完成手形を完成させることができる権利。 | 合意違反の補充は手形法10条(小切手法13条)の問題になる。また、補充権の内容が具体的に明確に合意されない場合は、白地手形が交付される基礎となった実質的な契約の解釈に従い、かつ信義則に従って補充権の内容が判断されるべきことになる(大判大11・6・15民集1巻330頁) |
不当補充の抗弁 | 合意違反。の不当補充がなされた手形については手形債務を負担しないとの抗弁。 | 手形法10条(小切手法13条)。手形法17条の人的抗弁との違いに注意。 |
手形法10条の適用範囲 | ||
<参考文献>
田邉光政「最新手形小切手法(第四版)」(中央経済社、1999)
川村正幸「手形小切手法」(新世社、1996)