民法総則の法律用語の定義・論点集です。
民法の基本の分野ですが、時効や条件など、択一向けに細かい知識が要求される分野でもあります。
とりあえず、現在個人的に読んでいる幾代通『民法総則(第二版)』をベースに知識を整理してみます。
用語 | 定義(その他制度趣旨) | 詳解 |
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信義誠実の原則 | ||
権利の濫用 | ||
人の始期 | ||
人の終期 | ||
未成年者 | ||
補助 | ||
保佐 | ||
後見 | ||
法人 | ||
法人実在説 | ||
法人擬制説 | ||
社団法人 | ||
財団法人 | ||
権利能力なき社団 | ||
意思表示 | ||
効果意思 | ||
表示意思 | ||
法律行為 | ||
準法律行為 | ||
意思の通知 | ||
観念の通知 | ||
意思表示の欠けつ | ||
意思表示の瑕疵 | ||
心裡留保 | ||
虚偽表示 | ||
94条2項の類推適用 | ||
錯誤 | ||
要素の錯誤 | ||
動機の錯誤 | ||
詐欺 | ||
第三者詐欺 | ||
強迫 | ||
代理 | ある人甲と一定の関係にある人乙(代理人)が、甲のために意思表示をし、またはこれを受けることによって、その行為の法律効果は直接に甲(本人)について生ずる、ということを認める制度。 | 法律行為における行為者とその効果帰属主体とが分離する例外的な場合の一つ。私法的自治の拡張と私法的自治の補充の二つの社会的要請を満たすために認められる。 |
間接代理 | 他人の計算において自己の名で法律行為がなされる場合 | 代理と社会的機能においては類似するが法律的には異なる制度の一つ。問屋(商法551条)が典型。 |
使者 | 完成した意思表示を伝達する者(伝達機関としての使者)。あるいは、決定された意思を相手方に表示して当該意思表示を完成させる者(表示機関としての使者) | 代理人は法律効果の効果意思をの決定をみずから行うが、使者は、本人が決定した効果意思を単に伝達するにすぎない点で異なる。意思の欠けつや詐欺・強迫の判断基準が前者では代理人、後者では本人になる。 |
任意代理 | 代理権が本人の意思に基づいて発生する場合の代理。 | 条文では「委任ニ因ル代理」。 |
法定代理 | 本人の意思に基づかずに代理権が発生する場合の代理。 | 条文では「法律上ノ代理。」制限能力者の代理人や不在者のための財産管理人、相続財産管理人など。 |
能動代理(積極代理) | 代理人が第三者(相手方)に対して意思表示をする場合。 | 99条1項。 |
受動代理(消極代理) | 第三者(相手方)のなす意思表示の受領が代わってなされる場合。 | 99条2項。 |
無権代理 | 代理人として行為する者が正当な代理権を有しない場合。 | |
有権代理 | 正当な代理権を有してなされる正常な代理。 | 無権代理と特に区別する意味で用いられる用語。代理行為と代理権の存在、それに本人の権利能力がその要件である。 |
顕名主義 | 行為の効果が行為者以外の者に直接帰属するところの法律行為であることがわかる状況において行為するのでなければ代理行為とはみられない、ということ。 | 「本人ノ為メニスルコトヲ示シテ・・・」(99条1項)。「甲の代理人乙」のように書面上に表示するのが典型。 |
顕名がない場合 | 表意者自身が行為の効果の帰属者として相手方との間に権利義務を取得する。100条本文。 | |
100条但書の解釈 | 顕名がなくとも、相手方が代理行為であることを知っているまたは知り得た場合は、代理行為が成立する。 | 相手方の悪意または有過失の立証責任は、援用する側にある。 |
代理権の範囲 | ||
代理権の濫用 | 形式的な代理行為としては有効であっても、実質的には本人の利益に反し、代理人または第三者の利益を図るものである場合。 | 93条但書の類推適用説(判例)、表見代理説、信義則違反説が主張される。相手方の保護に必要な主観的要件は、前二者なら善意無過失、後者なら善意無重過失になる。 |
無権代理と相続 | ||
表見代理 | ||
顕名主義 | ||
代理権の範囲 | ||
代理権の濫用 | ||
停止条件 | ||
解除条件 | ||
時効制度 | ||
取得時効 | ||
消滅時効 | ||
時効の中断 | ||
時効の停止 |
<参考文献>
四宮和夫・能見善久『民法総則(第五版増補版)』(弘文堂、2000)
幾代通『民法総則(第二版)』(青林書院、1984)